ごあいさつ
当研究所は、家族機能の不全に由来する各種の問題や心のトラブルに対し、問題解決と癒しをはかるための方法を研究し、臨床の場に役立たせるとともに、教育・啓蒙を進めることを目的としています。
家族機能研究所の具体的な目的は、配偶者の暴力・児童虐待・思春期の対親暴力をはじめとする家族内問題、登校拒否・出社拒否などの学校内・職場内適応不全、薬物乱用、過食・拒食症などの問題行動、アルコール依存症、ギャンブル依存症などの依存症、各種の夫婦間・職場内葛藤やそれらに由来する情緒的・身体的不調(無気力、抑うつ、心身症症状)を調査・研究対象としています。これらの障害はいずれも対人関係の歪みに基盤を持つものであり、各人の対人関係はそれぞれ生育した家族内の人間関係の影響を受けます。私たちがこの機関を「家族機能に関する研究所」と呼ぶのは、このように考えるためです。
上に挙げたような問題への対処に際しては、従来からの精神療法的、精神医学的治療のうち有効なものを活用することはもちろん、問題に悩む人々が自らの回復と自己成長を目的として集まるセルフヘルプ(自助)活動とも積極的に連携していかなければならないと考えます。これら地域の自助的集団の援助と人的交流もまた、当研究所の目的とするところです。
家族機能研究所代表 斎藤 学
斎藤 学(さいとう さとる) 略歴 |
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、1995年9月より、家族機能研究所代表。元・医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長(2022年4月末閉院)。 医学博士。日本家族と子どもセラピスト学会理事長。日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン(通称:JUST)理事長。元・日本嗜癖行動学会理事長、同学会誌「アディクションと家族」編集主幹(2023年末閉会)。日本子どもの虐待防止学会名誉会員。 ”現代の病”ともいえる過食-拒食症、アルコール・薬物・ギャンブルなどの嗜癖(依存症)問題に長年取り組む。AKK(アディクションを考える会)、NABA(日本アノレキシア・ブリミア協会)、JUST(日本トラウマサバイバーズユニオン)など多くの自助グループ・団体の誕生を支援。 |